不動産コラム Column

土地を購入したい!事前知識や注意点を土地のプロがわかりやすく解説

土地の購入を考えたときに知っておきたい事前知識とは

土地の購入は、人生の中でも大きな決断の一つです。
納得できるまでじっくり考えることが大切です。
建築に関する法律の制限、周辺環境、費用の見通しなど、どれも購入前にしっかり確認しておきたいポイントです。
例えば、気に入った土地を見つけたら売買契約を結びますが、契約と同時に土地代の5〜10%を手付金として売主に支払います。
通常の売買契約書の条項には、買主が購入をやめたい場合は手付金を放棄する、売主が売却をやめたい場合は手付金と手付金の同額を買主に支払うことで契約を解除できますと記載があります。
ただし、お互いの相手方が契約書の取り決めを実行した場合は、手付解除はできません。
このような手付金の取り扱いについて、事前に知識のあるかたは殆どおられません。知らずに進めてしまうと、予想外の費用がかかったり、理想の住まいが建てられなかったりと、後悔につながることもあります。だからこそ、事前の確認と準備がとても大切です。

土地によって建築物の制限がある

土地の種類や場所によって建築できる建物の制限があります。
多くの自治体に於いて、都市計画区域内の土地には都市計画法に基づいて用途地域が定められています。
そこでは、どんな建物を建ててよいかが決められています。
都市計画区域外でも用途地域が定められていることがあるのでご注意ください。

建築物には法律による制限がある

建築基準法によって、建物の構造、設備、用途、敷地に関する基準が定められています。
用途地域では建ぺい率と容積率が定められているので、どのような大きさや高さの建物なら建てることができるかをある程度は自分で計算できます。

もう一つ、建物を建てるための土地は、接道義務を満たしていなければなりません。
建築基準法上の道路に2m以上接していない土地の場合、原則として建物は建てられません。
土地だけでは住宅ローンが使えない
住宅ローンは、自分が住むための住宅の購入や建築を目的としたローンです。
将来的に家を建てる目的でも、土地のみの購入に住宅ローンを利用することはできません。

自己資金がなくローンも組めず土地代を払えない場合、売主はあなたに売りたくても売ることができません。
それを避けるために、事前に土地代だけの融資を受ける「つなぎ融資」の利用を検討します。
住宅を建てる前提でローンを組み、中間金として準備して土地代を支払います。

土地探しの注意点をご紹介

後悔のない土地選びのために、事前に確認すべきポイントがいくつもありますので、分かりやすく紹介します。

要件を満たしているか確認する

土地は、都市計画法に基づいて用途別に大きく3つに分類されています。
「住居系」「商業系」「工業系」です。
例えば、「住居系」に含まれる第一種低層住居専用地域では、1階を店舗とした3階建て住宅の建築では店舗の種類が問われます。
「工業系」の工業専用地域では、工場は建てられますが家を含むその他は原則不可です。
使いたい用途で建てられるかどうか、不動産会社に用途地域の種類を確認しておきましょう。
用途地域によって、建築可能な種類や大きさが異なります。
建築可能な大きさは、建ぺい率や容積率で定められています。

「建ぺい率」とは、敷地に対して建築可能な1階の床面積。
「容積率」とは、敷地に対して建築可能な延べ床面積(例えば1階と2階の合計)です。
50坪の土地の場合、建ぺい率60%なら1階の床面積30坪まで、容積率が200%なら総床面積100坪までの家を建てることができます。
高さの制限があれば超えてはいけません。

地盤の固さを確認する

地盤が弱いと、建物が傾いたり、不同沈下を起こしたりする可能性があります。
土地探しの段階では意識しない人も多いですが、とても大事なことです。
ハザードマップでの確認、また不動産会社に相談して地盤の状況を把握しておきましょう。
地盤の固さは見た目だけでは分かりづらいものです。
一般的に、土を盛って造成された「盛土」は軟らかく、高い地形を削って平らにした「切土」は堅いと言われています。
元池だったところは軟らかい、田んぼも軟らかいですが改良剤で固めてあれば沈下を起こすことはありません。
ですが、その土地のどこに家を建てるのか、どんな構造になるかはケースバイケースです。
そこで、ハウスメーカーが費用を負担して地盤調査に入ります。
費用は買主の負担です。
スウェーデン式サウンディング試験が一般的です。
国土地理院のホームページで過去の航空写真を見て、以前は何に使われていたのかを確かめることができます。
また、登記簿謄本を見ると、前の地目が分かります。

インフラ設備の状況を確認する

上下水道、ガス、電気の引き込み状況や、前面道路との関係、費用負担などを事前に把握しておきましょう。
配管工事が必要な場合、引き込みの距離が長いほど費用も高額になります。
水道管の口径は、古い宅地では13㎜口径が使われていることがあり、現代の暮らしに合わせて20㎜口径に変更するには負担金が発生します。
自治体によって異なりますので確認しておきましょう。

接道を確認する

接道義務を満たしていない場合は、原則、建物を建てることはできません。
接道義務とは、建築基準法で定められた道路に一定の距離以上接している必要があるというルールです。
購入したい土地が接道義務を果たしているのか、市区町村の建築指導課、または不動産会社に確認しておきましょう。

私道に接している場合は注意が必要です。
私道が建築基準法上の道路として認められているかどうか、また私道の持分を譲ってもらえない場合は住宅ローンがおりないことがあります。
これらは事前に調べておきましょう。
公道ではない場合、道路の補修費用を負担しなければならない可能性があります。
将来的な出費の可能性も頭に入れておきましょう。

隣地との境界線を確認する

敷地の境界線を誤って越えて建物を建ててしまう「越境」は、深刻なトラブルに発展するケースがあります。
土地の境界を示す境界杭やプレートなどが見当たらない場合は、売主に確定測量をしてもらいましょう。
法務局で地積測量図を確認してみましょう。

それでも不明な場合は、土地家屋調査士に隣家の所有者立ち会いのもと、境界を確定してもらうのが確実です。
土地家屋調査士に原則的には売主が負担しますが、決められているわけではありません。
売主が拒否すれば、買主がすることになります。

売主と隣の人が思っている境界線が異なっていたり、越境していたりすることもあります。
境界や越境の問題は、住み続ける限りついて回ります。
近隣とのお付き合いにも影響し、お金では解決できない問題に発展することもあります。
だからこそ購入前に不動産会社と一緒に確認し、必要なら「建て替える時には越境を正す」といった覚書を交わしておくなどの対策が必要です。

土地代以外にもお金がかかることを知っておく

土地代以外にも、仲介手数料、契約書の印紙税、登記費用、不動産取得税や固定資産税の日割り、ローン関連費用、測量費用なども必要になります。
これらの諸費用は土地代金の5~10%程度になることが多いです。
また、不動産取得税は、土地を購入した半年後くらいに納付書が届きます。
この税金はローンで支払えないため、現金での支払いとなります。資金計画を立てる段階で、こうした諸費用を含めた予算を立てておくことが重要です。

土地の種類によって注意点が変わる

土地の種類によって、購入や活用時に注意すべきポイントは大きく異なります。

古家付き土地

建物が残っているため、土地を購入後に建物の修繕や解体する費用がかかります。
古い土地の場合は、隣地へのはみ出しや境界があいまいなこともあります。
不動産会社を通じて、売主や隣地の持ち主に確認してもらうのがおすすめです。

山林

山林の場合、土地の造成やインフラ整備が必要になることがあります。
排水管をどこまで伸ばすのか、そして排水を流す許可がとれるかもしっかり確認しておきましょう。

畑や農地

畑や田んぼをつくるための土地に家を建てるには、農地転用の手続きが必要です。
市街化調整区域内の農地では、家を建てることが原則できません。
また、保安林に指定されている山林では伐採や土地の形質変更に制限があり、ほとんどのケースで家を建てる許可はおりません。注意してください。

すでに所有している土地の隣

から「隣の土地は借金してでも買え」と言われます。
使い勝手は十分に知っていますし、今の持っている土地と合わせると広く使うことができ、将来、建て替えや売却の時に選択肢が広がります。
使う予定がなくても、隣の土地に価値観が合わない人が来ないようにと購入されるケースもあります。
不動産本舗でも、隣の土地を購入することで、既存の土地の価値が上がると予測される場合は、少々高くても価値の高い買い物になるとお伝えすることが多いです。
ただ、既存の家が将来空き家になることが決まっていたり、明らかに管理が出来そうにない場合はお勧めしていません。

土地を購入するときの選び方のポイントをご紹介

どんな場所に住みたいかは、その人の価値観やライフステージによって違います。
「ここでよかった」と思える場所を選ぶために、確認しておきたいポイントをいくつか紹介します。

土地の高低差に注目する

周辺より極端に低い土地は、豪雨や洪水、津波による浸水リスクが高くなります。
低い土地は水がたまりやすく、地盤が軟らかい傾向があります。
隣地との高低差が大きければ、ガケ条例が適用され、盛土や擁壁など造成が必要になり費用がかかります。
もしくは建築面積を制限されます。

越境物の有無を確認する

隣家の庭の大きな木の枝、屋根や塀などが境界線を越えている場合は、購入前に隣地の所有者と話し合い、撤去するなどの解決策やそれにかかる費用をどちらが負担するのかを明確にしておきましょう。
いますぐ撤去するほどではない場合は、「建て替える時に正してください」という覚書を交わす方法も円満な解決法方法としておすすめです。

過去に土地がどのように使われていたのか確認する

工場や危険物を取り扱う施設があった場所では、土壌汚染の心配があります。
もとは池や井戸があり、地盤改良せず土をかぶせているだけだと地盤が軟らかい可能性があります。
建物があった場所には基礎が残っていたり、土地が空洞化している場合もあります。
土地の歴史は、不動産会社や住宅会社に確認する、または登記簿謄本や古地図で過去の利用状況を確かめることができます。

周辺環境に注目する

崖近くの土地は、土砂崩れや崖崩れの危険性があります。
近隣に高い建物があったら、日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。
また、高圧電線が上空にある場合は、電磁波の影響があると言われています。
これらは重要事項説明書にも記載されていますので、しっかり確認しておきましょう。

土地を含め周辺の歴史を調べておく

東広島でよくあるのですが、土地を掘り返して遺跡が見つかったというケースです。
調査費用が必要になり、買主と売主が競技して費用を負担することになります。
遺跡の有無は、自治体で事前にある程度無料で確認できます。
ほかにも、事故や事件、自殺、災害の履歴も確認しておきましょう。
年月がたつと記憶は薄れてしまうものです。
「知らなかった」と後悔しないためにも、事前に調べておくことが安心につながります。

湿気の有無を確認する

湿気の有無は目には見えません。
土地に水たまりができやすい、壁にコケがついている、家の近くに池があるといった様子が見られたら、湿気がこもりやすい環境なのかもしれません。
湿気が多いと分かったら、基礎を高くつくることで解消できる場合もあります。
気になることがあれば、遠慮せずに所有者や不動産会社に確認してください。

東広島で土地を購入するのなら不動産本舗へご相談を

東広島は、都市計画区域に対して市街化区域が非常に狭いという特徴があります。
街中を歩いていると「なぜここに家が建っていないのだろう?」と思うような広大な空き地や農地を見かけることも少なくありません。
それらの土地は、法的な制限があり住宅を建てることができない場所のことが多いです。
東広島では、住宅が建てられる土地が限られているうえに、中心部の人口も年々増加傾向にあります。
その結果、土地探しに時間がかかり、価格が高騰するといった状況が起きています。不動産本舗は、法的な制限や地域の特性をふまえたうえで、お客様の希望に沿った土地探しを丁寧にサポートしています。
また 不動産本舗は地元で13年、スタッフの多くが東広島で暮らしています。
東広島の土地の購入を考えているお客様と同じ東広島の住民として、「自分だったら」という視点で不動産取引に取り組んでいます。
例えば、自殺や事故があった「心理的瑕疵(かし)物件」は、一度居住者が入れば説明義務はなくなりますが、当社では可能な限りの情報をお伝えしています。
災害の履歴については、「玄関先まで水がきた」「駐車場の車がつかった」といったそこに住む人だからこそ知っている情報もある程度把握しています。


小学校の雰囲気はいい?
医療体制は整っている?
ショッピングセンターは便利?
朝の渋滞状況は?


といった、生活者ならではの情報も踏まえた土地探しのアドバイスが可能です。
土地には、地図や資料だけではわからない地域の空気感や人とのつながりがあります。
数字では測れない大切なことが、暮らしの満足度を大きく左右します。
だからこそ、地元をよく知る地元の不動産会社に相談することが、安心への近道。不動産本舗に安心してご相談ください。

まとめ

土地を選んだら、不動産会社を通じて「重要事項説明書」の説明が必ずあります。
重要事項説明書は、契約前に必ず確認すべき法的・物理的な条件が記された大切な書類です。
面倒に感じることがあっても、担当者に遠慮してしまう場面があっても、納得できるまで内容をしっかり確認してください。
不動産本舗では、お客様が「知らなかった」と後悔されないように、小さな疑問も未来の夢も丁寧にお聞きします。あなたの土地探しを、心を込めてサポートいたします。

物件探しにお困りの方へ

豊富な情報と確かな知識で、個人のお客様も法人のお客様も、理想の物件探しをサポートいたします。
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不動産本舗では、住宅や事業用物件の購入をお考えの方に向けたサポートも行っております。
ご予算・立地・用途など、ご希望に沿った最適なご提案が可能です。
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まずはご状況をお聞かせいただき、弊社としてどのようなお手伝いが可能かご一緒に考えさせていただけますと幸いです。

記事を書いた人

葛城 正臣
葛城 正臣
東広島市で産まれ、前職から不動産業に携わって約25年、お仕事を通じて地域の皆様に育てていただきました。業者都合の提案ではなく、お客様にとって本当に価値のあることは何かを考え、本物の価値を提供することが、私の使命と感じています。お困り事、お悩み事がございましたら、まずは当社にお気軽にご相談下さい。