不動産コラム Column

空き家の売却で失敗しない方法とは?負担軽減&賢い売却を叶えよう   

目次

売却したほうが良い空き家とは

こんにちは。不動産本舗です。

ここ数年、売却をはじめとした空き家についてのご相談が増えています。持っているけど使う予定がない場合でも、固定資産税などの維持費はかかりますし、メンテナンスを始め、様々な問題が出てきます。
手放したいと思う一方で、先祖代々受け継がれてきた家であったり、ご両親が苦労されて建てた家なら、手放すのは心苦しいというお気持ちはとてもよく分かります。

 

私たち不動産本舗は、ご先祖様はきっと大事な不動産が今現在この世で生活している方々に有効に使われる方が喜ばれるのではないかと考えております。
もし「この家を守り続けてほしい」と言われたのなら、それは「大事なものを売らなければならないような、経済状態にならないように頑張ってほしい。贅沢をして身を滅ぼさないようにしてほしい。」という願いや戒めだと考えられるのではないでしょうか。

心穏やかに納得できる空き家売却となりますように、今回は空き家の売却について説明させていただきます。

管理が大変と感じる空き家

空き家が今、住んでいる場所から遠い場所にあると、お手入れのために頻繁に行くことができません。
業者に維持管理を頼むにしてもコストがかかります。
また、家や庭が広い場合、家が傷まないようにするためのお手入れ、庭の草抜きや剪定も大きな負担となります。

近隣トラブルを避けたい空き家

建物が古くなると、ご近所の方に心理的に迷惑をかけてしまうことがあります。

例えば、シロアリなどの害虫がわくと隣家にも影響を及ぼします。
剪定されていない庭で虫や動物の住処となったり、落ち葉がお隣のお庭に飛んでいてお掃除が必要になっていたり。草がぼうぼうと生えていると一目で空き家とわかり、放火の対象になりやすくなります。

持ち主が気づいていないだけで、その場に住んでいるご近所さんは不安や不満を募らせているかもしれません。

固定資産税の負担が大きい空き家

空き家でも不動産を持っている以上は、固定資産税がかかります。

田舎でその価格が比較的低いと感じていても、使う予定がないのであれば払い続けることに疑問を感じるのは当然です。
街中で固定資産税が高いのであれば、負担は大きくなります。古い家だからと解体して更地にすると、土地の固定資産税は約6倍になります。

空き家を売却する方法は3つある

こうした空き家を売却する方法は、主に3つあります。
考え方とともに説明します。

空き家をそのまま売却する

空き家がまだ使える状態である時は、中古住宅として売却を考えます。
もしくは、古家付き土地として不動産会社に依頼し買い手を探してもらう、という方法もあります。その時には、家財の処分は売主側で基本的に行います。

買い手がつきやすくなるようにリフォームをして売却する方法もありますが、まずは手を加えない状態で売り出すことをお勧めします。

古い家に魅力を感じる方もいらっしゃるかもしれないですし、お金をかけたのに売れないことも想定されるからです。
まだ使えそうな古屋なら、雨漏りなど致命的な故障の修繕は視野に入れてもいいと思います。

空き家を解体してから売却する

ボロボロの家が建っているよりも、何もない更地の方が売れやすいケースがあります
ただし先ほども申し上げた通り、更地にすると固定資産税が6倍近くになります。
そのため、できれば空き家があるままで売ることをお勧めします。
それでも売れなかったら、解体という手段を検討してみましょう。

注意したいのは、「市街化調整区域」にある家の場合です。

市街化調整区域は住宅などの建物の建設を積極的に行わない地域のため、建物の建て替えや売却に制限がかかります。
解体業者に言われるがまま解体をしたけど、一度更地にしてしまうと建て替えができなくなり、売却が困難になったというお悩みのご相談も時々あります。
建物の解体は、自治体の都市計画を把握した上で行いましょう。

まずは不動産会社にご相談ください。

空き家を不動産会社に買い取ってもらう

空き家は、一般の方にはいくらで売れるか、果たして売り物になるかどうか分かりません。
買い手との交渉や売った後のクレームなどの心配もあります。

空き家を不動産会社に買い取ってもらう方法は、こうした煩わしいことが一切なくなるのが最大のメリットといえます。
確実に、早く、現金化できます。仲介手数料も不要です。

ただし、少なくとも相場よりも2、3割安くなることが想定されます。

相場はあくまで目安で、その価格で売れるとは限りません。
また不動産会社は空き家(土地)を仕入れて手を加えたり、販促活動などを行ったりするため、そのコストを見越して買い取り価格を算出しています。

空き家の状態別におすすめの売却方法をご紹介

一口に空き家と言っても、さまざまな状態があります。
状態別にお勧めの売却方法を4つ紹介します。

築20年以内の空き家である

比較的きれいで、すぐに住める状態にあることがほとんどです。
高く売却できる可能性があるので、現金化を急いでいないのであれば不動産会社に仲介してもらって売却します。

家はきれいなのに家財がたっぷり残っていて生活感が強い、クロスがタバコのヤニで汚れている、壁に大きな穴が空いている、または、庭の草木が生い茂っていたりすると家が売れない原因となることがあります。
家の片付けや庭の草木の剪定などをして見た目をきれいにしておいた方が高く売れます。

一度内覧して買いたくないと思われると、取り返しが付きません。
売れないから片付けるのではなく、売る前にやっておきましょう。
家財を撤去してハウスクリーニング業者に清掃してもらうことをお勧めします。

築20年以上の空き家である

外壁塗装が劣化していたりすると、家によっては雨漏りが発生してしまう可能性もあります。

子どもさんがたくさんいたり、ペットを飼っていたりする家では、内装の傷みもあると考えられます。
また、20年以上前に備えた設備は古くなっているはずです。

蛇口のパッキンが劣化していないか、エアコンは使えるかなどは売りに出される前にチェックをしておく必要があります。
そのときは使えても、買主が使い始めたらすぐに故障してしまうこともあります。

そのため、契約の際には設備が古いことや、故障した時の免責事項についての説明をしておかないと後でトラブルとなることがあります。

リフォームをして売り出す場合でもコストがかかります。コストをかけても売れるとは限りません。
売れないと家は劣化していく一方です。

不動産会社には安くリフォームして売却するノウハウもあります。
早く、そしてより高く売るために、不動産会社に買い取ってもらう方法を選ぶ方も多いです。

激しく劣化した空き家である

先ほどもお話したように、劣化した空き家は害虫の発生や動物の住処になったり、防犯上のリスクを高めてしまったりなど、近隣に迷惑かけることがあります。

そのようなことも解体することで不安が消え、お気持ちがスッキリされるのではないでしょうか。

ただし、何度も申し上げますが、固定資産税が約6倍になることや、都市計画で建て替えの制限がある場合もあるので解体の際には事前に注意してください。

空き家を売却する流れとは

不動産会社に依頼して、空き家を売却する流れを説明します。

  1. 家の不要物を処分。
  2. 不動産会社に相談。
    査定をしてもらい、売却にかかる費用を確認します。
  3. 家を購入した書類を用意。
    図面があると家への信頼度が上がります。手続きがスムーズに進みます。
  4. 不動産会社と販売方法を相談
  5. 販売開始(広告媒体などでの売出し)
  6. 買い手がつき条件を調整後、売買契約。
  7. 条件次第では、この間に確定測量(土地境界の明示)、建物の解体などを実施。
  8. 引き渡し(所有権移転登記)
  9. 確定申告
    売買代金から様々な諸経費を引いた残りの所得に対して所得税がかかります。所得が増えたことで、翌年の医療費が高くなることもあります。

こうした手続きを個人ですることもできますが、専門的な知識や資格が必要となることも多いので、不動産会社に相談できると安心だと思います。
不動産本舗では、ある一定の仲介手数料をいただく場合や買取の場合は、サービスの一環で税理士のご紹介や確定申告費用を当社が負担します。
当社独自のサービスですので、お問い合わせください。

空き家の売却にかかる費用や税金をご紹介

空き家を売却するときには、どんな費用がかかるのでしょうか。
事前に知っておくと準備ができますので、スムーズに空き家の売却していただくことができます。

 

【費用】仲介手数料

不動産会社に仲介してもらって売却する場合にかかる費用で、成功報酬型の手数料です。
支払い方法は大きく2つあり、契約時に半額で決算時に残りを支払う、または引き渡し時に全額支払う方法です。
当社は、後者の引き渡し時に全額お支払をいただいています。

仲介手数料の計算は以下のとおりです。

取引価格 仲介手数料(消費税別)
200万円以下 取引価格の5%
または売主からの上限18万円
200万円超・400万円以下 取引価格の4%+2万円

または売主からの上限18万円

400万円超 取引価格3%+6万円

 

【費用】解体費用

解体費用は、建物の構造、家財や外構がどのくらい残っているか、重機が入るか、隣と近いといった状況によって変わってきます。
解体業者から見積もりをもらい、後で追加費用が発生する可能性があるかどうか、どんなケースが追加費用となるのかを事前にしっかり確認しておきましょう。

「この解体は対象外」と言われて解体工事が中断され、困って納得できないまま多額の追加費用を払うというケースもあります。
直接解体業者をご存じない方は、不動産会社が紹介する解体業者に依頼する方が安心だと思います。

解体費用の超概算を出すとすれば、総床面積×坪5万円で計算します。
ケースバイケースなので、あくまで超概算として参考にして下さい。

【費用・税金】相続登記費用

相続登記が終わっていない状態、つまり売主と名義が違う不動産は、実質的に所有権を移転できません。
空き家の売却を考えるなら、相続登記を完了させておきましょう。
手続きは個人でも可能ですが難しく、さらに親戚間の話し合いが必要で揉めることもあります。
司法書士に間に入ってもらう方が何かとスムーズです。

相続財産があった場合、この物件だけを相続登記する手続きもできます。
詳しいことは司法書士、法務局に確認することになりますが、まずは不動産会社に相談されることをお勧めします。

【税金】譲渡所得税・住民税

売却した家が購入した価格よりも高く売れた場合の利益にかかります。
利益の21%が所得税、住民税として納税する額になります。
売却するための費用とみなせるものはいろいろありますし、購入してから売却するまでの年数によっても違いますので、税理士さんや税務署に確認されることをお勧めします。

【税金】印紙税

契約書に貼り付けるもので、納税義務があります。
オンラインで不動産売買契約して、紙の契約書を仕様しなかった場合は、印紙税がかかりません。

そのほかの費用・税金

ゴミ処分、境界線を確定する測量を土地家屋調査士にお願いする費用などです。
敷地内に農地があれば、農地転用の費用もかかります。

これらは個人でもできますが、行政書士に頼むケースが多いです。

空き家の売却にかかる費用や税金は抑えられる?

今、空き家が年々増加しています。
国をあげて空き家対策に乗り出し、各自治体でも助成金や補助金、控除を行うなど積極的な空き家対策に取り組んでいます。
空き家の売却にかかる負担への軽減についていくつかご紹介します。

3,000万円特別控除を活用する

不動産売却で利益が出ると、譲渡所得税を支払うことになります。
相続した空き家で一定の条件を満たすと、譲渡所得税の3,000万円の控除が適用されます。空き家特例とも呼ばれています。
相続した日から3年後の12月末までに売却する、マンションは不可など条件がありますので確認が必要です。

相続空き家の取得費加算の特例を活用する

相続または寄贈によって取得した土地や建物などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、支払った相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。ただし、空き家の譲渡所得の特例とは併用ができません。

10年超所有軽減税率の特例を活用する

10年以上所有していたマイホームを売却したとき、譲渡所得税が少なくなる特定です。3,000万円特別控除と併用できます。確定申告が必要です。

参考ページはこちら

解体にかかる費用の補助金・助成金を申請する

自治体によって、補助金・助成金があります。
各地で条件や耐震診断が必要性など条件は異なるため、該当する自治体のホームページ、または窓口でご確認ください。

平均して解体費用の5分の1〜2分の1程度支給されることが多いようです。

売り主だけの判断でリフォームしない

「リフォームして売ったほうが高く売れる?」とよく聞かれます。
その可能性もありますが、そうとも限りません。

まずは、不動産会社に相談をして、本当に必要なリフォームをしてください。
売却事情に精通した不動産会社なら、「こちらの物件なら壁紙を変えると見栄えがよくなり、買い手が付きやすくなりますよ」などの具体的なアドバイスが可能です。

無理に家財を処分しなくても良い

長く住んだ家には、ものがたくさんある場合が多いです。
売却する際には、家財をある程度整理しておくと印象が良くなります。
買い主が「この物件がほしい!」と思ってくれなければ、売却はできません。
印象はとても大事です。

木製の家具なら、家と一緒に解体処分してもらうことも可能です。
量にもよりますので、事前に確認しましょう。
家電は事前の処分が必要です。

空き家を売却するときの注意点をご紹介

空き家の売却を成功させるためには、事前の準備が大切です。私たちがお客様によくお伝えしている注意点を説明します。

空き家の名義を自分に変更する

相続以外で誰かに譲ってもらった場合でも、登記名義が自分でないと買い手に対して登記移転はできません。
契約は成立しても買主さんは第三者に対して「私のもの」と証明することができないのです。

まずは、売主が登記を自分名義にしておきましょう。詳しくは司法書士、不動産会社も相談に相談しましょう。

空き家の状態を知っておく

長く住んでいない空き家は、想像以上に傷んでいる可能性があります。

売主は空き家の状態を知っておく責任があります。
実際に見に行ったり、不動産会社に依頼したりして動画を撮影してもらって確認するなど、任せっきりにせず売主自身が確かめましょう。
誰のものか分からない荷物、廃車、他人が入り込んでいる気配などは、売主だからこそ気づけるポイントです。

安易に更地にしない

家の劣化が激しいからといって、安易に更地にしないことをお勧めします。
なぜなら、固定資産税が約6倍になる、或いは、建て替えができない可能性があるためです。
古い家なら古家付き土地として売却する方法もありますので、まずは売却にチャレンジしてみることをお勧めします。

空き家の売却のご相談は不動産本舗にお気軽にどうぞ

空き家の売却にも、さまざまな方法があります。
司法書士、税理士、解体業者、土地家屋調査士とのやりとり、ご近所との調整も必要です。たくさんのやりとりが発生しますが、不動産本舗に任せるとワンストップで可能です。

家を売却するということは、人生でそう何度もないことです。
一生に一度あるかないかではないでしょうか。分からないこと、迷われることも多いと思います。

当社では「空き家売却」はものの売却ではなく、売主のお客様の人生に影響する大きな転機だととらえています。
お客様の思いや願いを聞かせていただき、条件や状況などを顧客視点でチェックし、的確なアドバイスをさせていただきます。

まとめ

空き家になる理由は、家が離れている、親が施設に入ってもう戻ってこない、離婚してローンだけ払い続けているなどさまざまです。それぞれに最適な売却手段があります。売却は数カ月、数年かかることもあり、エネルギーを使います。一緒に頑張ってくれる信頼できるパートナーが欠かせません。いくつかの不動産会社をあたってみて、信頼できるパートナーを見つけてください。

金銭面だけでなく精神的にも「売却してよかった」と思える経験にしてくださいね。

記事を書いた人

葛城 正臣
葛城 正臣
東広島市で産まれ、前職から不動産業に携わって約25年、お仕事を通じて地域の皆様に育てていただきました。業者都合の提案ではなく、お客様にとって本当に価値のあることは何かを考え、本物の価値を提供することが、私の使命と感じています。お困り事、お悩み事がございましたら、まずは当社にお気軽にご相談下さい。