老後に家を売ってはいけない?理由と売却を選ぶケース、注意点を解説
目次
『老後に家を売ってはいけない』といわれる理由とは
「セカンドライフを楽しみたい」「老後の生活の資金にしたい」といった理由で、高齢になって家を売ろうと考える人は一定数います。
不動産本舗にも多くご相談が寄せられますが、「老後に家を売ってはいけないと聞くので、どうすべきか迷っている」と揺らいでいる人も少なくありません。
ではなぜ「老後に家を売ってはいけない」と言われるのでしょうか。
その理由を考えながら、素敵な老後のためのベストな選択を説明します。

環境の変化が大きいから
私たちは、暮らしの安定は心の安定に直結していると考えています。
新しい場所や環境になじむまでストレスを感じ、孤立してしまうこともあります。
この問題は、元の家と同じ地域や近い場所での引っ越しであれば、こうしたストレスを軽減できると言われています。
また、環境の変化がよい刺激になり、ますます元気に明るくなるというメリットもあります。バリアフリーを施した新しい環境への住み替えなら、現在よりも過ごしやすくなり快適です。
家賃の負担が増えるから
住んでいる家を売ったとき、次に住む家は賃貸を選ばれる人が大半です。
その場合、毎月の家賃、入居時の敷金礼金・鍵交換・清掃費用などが発生し、年金生活の中での負担が増えます。もし払えなくなったら…という不安が生じることもあります。
家を売却しても大きな利益にならないことがある
築年数が経っている戸建てや分譲マンション、人口流出が著しい地域などの場合、家を売却しても思っていたような利益が出ない可能性があります。
その場合、住み替え費用や当分の生活費にするという計画が叶わないかもしれません。
近年、新築物件の価格が高騰している今、中古住宅の需要が伸びることが予想され高く売れるのではないかという期待が高まっています。
「家の価値は下がっても、土地の価値は上がっているだろう」という思い込みを持っている人も少なくありません。
しかし、中古の需要は地域によって大きく差があり、古民家カフェなどに活用できる家のような状態のよい家でない場合は、買い手が見つかりにくいのが現状です。
老後に家を売ることが選ばれるケースとは
老後に家を売ってはいけないと言われる理由について説明しました。次に、売った方がよいケースを紹介します。

売却利益を活用したいから
子どもに相続させたい、老後は年金+売却利益で生活したい、施設入居の資金にしたいなど、これからの人生に活用する予定を考えている場合です。
相続トラブルを未然に防ぎたいから
よく見かける相続トラブルが、「家を残せば子どもたちが喜ぶだろう」という親世代の価値観による判断や、「うちは兄弟仲が良いから絶対に揉めるはずがない」と思っていたら、遺産の分け方で揉めて相続が進まない、といったトラブルです。
遺産の分割方法で意見がまとまらず、売ることも貸すこともできないまま時が経ち、不動産の価値は下がってくばかりです。
家を相続させる際にモノである家を均等に分けるのは難しいですが、現金化しておくと分けやすくなります。
また、遺言状などで分け方を明確にしておくことでトラブルを防ぐことができます。
今の暮らしに合わせた家に住みたいから
年を重ねると、ちょっとした段差や階段の上り下りが難しくなります。
高齢者の家に伺うと、2階を全く使っていないという状況を本当によく見ます。
それなら、家を子育て世帯に売って住んでもらった方が家を有効活用できますよね。
そして、売却した資金で新しい家を買う、または賃貸物件に住むのはいかがでしょうか。
病院が近い場所、バリアフリー化や最新設備が施された物件を選ぶ、訪問販売などの詐欺にあいにくい高齢者専用の物件に入るという選択肢もあります。
家にかかる費用負担を減らしたいから
現在よりもコンパクトな中古の戸建てや分譲マンションを購入すれば、固定資産税やリフォーム費用などの家にかかる費用を減らせます。ただし、分譲マンションは修繕積立金、共益費など、戸建てにはかからない費用が数万円かかります。鉄筋コンクリート造なので固定資産税が少し高めです。費用を計算して検討してみましょう。
また、購入した物件はいつか売ることになるかもしれません。その場合、戸建てよりも分譲マンションは需要が高く、売却しやすい、または貸しやすいケースが多いです。
セカンドライフの夢を叶えたいから
今とは違って自然のあふれる地域でゆったりと暮らしたい、趣味をとことん楽しめる家で暮らしたいなど、セカンドライフの夢をかなえるために、家を売却される人もいらっしゃいます。とても素敵な選択ですね。
老後に家を売るときの注意点をご紹介
それでは、家を売るときの注意点をまとめてみましょう。

健康なうちに意思決定を行う
不動産を売却するには、登記名義人が売主本人であることが必要です。
しかし、高齢になると認知症を発症するリスクがあり、認知症と診断されると意思決定能力が低下したとみなされることがあります。
法務局や司法書士が不動産所有者本人に意思決定能力がないと判断した場合、登記は移せなくなり、相続予定者全員が売ろうと決めても、登記は意思決定能力のない本人にあるため、不動産を売ることができないのです。
健康なうちに、登記の手続き、また各種制度を利用して売却する権利を子どもに引き継いでおくなどの意思決定をしておきましょう。
一人で決めない
家の売却は一人で決めず、子どもや配偶者など、相続権のある家族に売却を相談することをお勧めします。「実家がなくなるのは寂しい」「家を相続したい」「この家に住みたい」といった家への思いを知ることができます。
住宅ローンは避ける
高齢者の場合、住宅ローンを組める可能性は低いといえます。もし組めたとしても、その後の返済が生活を圧迫してしまうことも考えられます。
現金一括購入、または賃貸住宅への住み替えをお勧めします。
賃貸物件に住み替えるメリットは、広い家の管理の負担がなくなり、固定資産税や修繕費といった維持費がかからないことです。
バリアフリー対応の物件や生活に便利な場所でより住みやすくなるというメリットも想像できます。
ただし、持ち家が便利な場所にある分譲マンションなら、住み続けた方がいいこともあります。様々な角度から比較検討されることをお勧めします。
数年先、数十年先の生活もイメージする
家を売って移り住んだ新しい家は、生活拠点として優れているのかをよく考えておきましょう。
今は何てことのない坂も、数年、数十年先には外出がつらくなる坂になるかもしれません。
また、戸建てでは気にならなかった隣家や上下の家の騒音が気になり、近所となじめないことから孤立して被害妄想が激しくなりご近所に迷惑をかけるといったトラブルもよくあります。
新生活の場所を決める際に考えておきたいことを紹介します。
- 地域コミュニティに馴染めそうか
- スーパーや病院などが通いやすい場所にあるか
- 公共交通機関は利用しやすく、不便はないか
- 万が一のことがあったときに家族、親族がすぐに行けるか
- 大雪や地震が多いなど、高齢者にとって負担のある環境でないか
- 住居設備の使い勝手はよいか
できるだけ多くの選択肢を持つ
老後資金の確保やセカンドライフの夢をかなえるための方法は、「家を売って引っ越す」だけではありません。
持ち家を賃貸に出して家賃収入を得るという選択肢もあります。多くの選択肢があることを知っていただければ、理想の暮らしを実現できる可能性が高まります。
不動産本舗では、お客様がベストな選択ができるように、暮らしへの思いをしっかり聞かせていただき、ご提案させていただきます。
東広島で家の売却を考えたときは不動産本舗にご相談を

老後のために家の売却を考えている場合は、意思決定ができる早い時期から準備されることをお勧めします。
老後生活を具体的に考えるためにも、今住んでいる家がいくらで売れるのか、また貸せるのかを確かめておきましょう。
そして、果たして売れるのか、貸せるのかといった需要も把握しておきたいものです。このような情報は、不動産会社がよく知っています。
ただし、不動産会社によっては得手不得手の分野があるので、思ったようなアドバイスが得られないことがあります。
売買経験のない不動産会社なら賃貸を勧めます。
自分の会社でその物件を扱いたい気持ちばかりが強く、根拠なく高い売却価格を提示する不動産会社もいます。
高く評価されるとうれしいですが、高いばかりで買い手がつかず結果的に家が傷んでしまって価格が下がってしまう可能性もあります。
相談先は、売買も賃貸も総合的に扱う不動産会社がおすすめです。
不動産売却の相談先は、売るだけでなく売ったあとの生活も考えてくれる不動産会社を選んでください。
なぜなら、家を売る場合は次に住む家が必要になりますが、高齢者の場合は賃貸契約が難しくなります。
認知症などの病気の発症が心配され、判断が難しくなったり家賃が払えなくなったり、孤独死のリスクも高まります。ご家族が遠方にいる、保証人が見つけづらい状況が想像されるためです。次の準備をして売却を進めた方が安心です。
不動産本舗は、賃貸も売却も扱っています。
お客様の思いを軸に置いて、需要や市場をみながらベストな選択をサポートします。
まとめ
老後の生活の仕方に答えはありません。
生活に求めることも、物件の状況も評価も、一人一人、一つ一つ異なります。
だからこそ、不動産本舗はヒアリングに力をいれています。
プロによる徹底したヒアリングと不動産売買の実際の経験を活かして、幅広い選択肢を提案させていただきます。
家を売ろうかどうしようかと考え始めたら、そのままのお気持ちを不動産本舗に聞かせてください。
私たちは、お客様の人生の大切な場面に立ち会っていることを忘れず、人生の良い選択となるようにお手伝いをさせていただきます。
不動産売却をご検討の方へ

東広島・広島での不動産売却なら、地域密着の不動産本舗にお任せください。
お客様の大切な資産を、より良い条件で売却できるよう全力でお手伝いします。
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ただし、他の不動産会社様とご契約されているお取引の具体的な内容や、現在進行中の交渉への直接的な介入など、ご相談内容によってはお受けできない場合もございます。
まずはご状況をお聞かせいただき、弊社としてどのようなお手伝いが可能かご一緒に考えさせていただけますと幸いです。
記事を書いた人

- 東広島市で産まれ、前職から不動産業に携わって約25年、お仕事を通じて地域の皆様に育てていただきました。業者都合の提案ではなく、お客様にとって本当に価値のあることは何かを考え、本物の価値を提供することが、私の使命と感じています。お困り事、お悩み事がございましたら、まずは当社にお気軽にご相談下さい。
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